【卵かけご飯が食べたい】アメリカで生卵を食べる方法を紹介します。

 

日本人が大好きな生卵。

卵かけご飯や窯玉うどん、すき焼きなど、生卵を使う料理はたくさんあります。

 

しかしアメリカには卵を生で食べるという文化が浸透していません。

そのため市販で売られている卵のほとんどは、日本のようにサルモネラ菌の対策がなされておらず、生で食べることができません。(生でも美味しく食べることはできますが、感染のリスクがあるため推奨されません。)

 

実際に卵のケースには、火を通すように注意書きがされています。

 

しかし、生卵を使った料理が食べたくなるのが日本人です。

 

今回はアメリカで生卵を食べるための方法についてまとめます。

 

 

サルモネラ菌のリスクについて。

 

アメリカの市販の卵を生のまま食べると、サルモネラ菌に感染する恐れがあると言いますが、サルモネラ菌という言葉は聞いたことあっても、具体的にどんな菌でどんな症状がでるか知らない人も多いと思います。

 

まずはサルモネラ菌について解説します。

 

サルモネラ菌について。

 

サルモネラ菌は、牛や豚、鶏など家畜の腸内や、下水・河川などに生息する細菌です。

サルモネラ菌を保菌している家畜を食べたり、サルモネラ菌が生息する河川で獲れた魚を食べてしまうと感染する可能性があります。

 

それ以外にも犬や猫などのペットが感染する可能性もあり、ペットを触れたあとに手を洗わずモノを口にしてしまって感染するというケースもあります。

 

 

感染経路の事例として最も多いのが、鶏卵です。

 

家畜の腸内では常にサルモネラ菌を保有しており、鶏の腸内そして肛門にはサルモネラ菌が付着している可能性が高いです。

鶏の肛門は総排泄腔と呼ばれ、糞尿だけでなく卵も肛門から出てきます。

もちろん腸内で卵が育つわけではなく、卵が育つ場所は別にありますが、最終的に卵が出てくる出口は糞尿と同じ穴です。

 

そのため、卵が生まれるときに、卵の殻にサルモネラ菌が付着する可能性(On-egg)が十分にあります。

 

サルモネラ菌が最も発育する温度は摂氏37度と言われており、低温にも強く、マイナス18度でも死滅しないという実験結果が報告されています。

 

一方、熱には弱く、摂氏75度以上で1分間、あるいは摂氏65度以上で5分間加熱することで、ほとんどのサルモネラ菌は死滅します。

 

日本では卵を生で食べることを前提としており、GPセンター(鶏卵格付包装施設)にて洗浄、消毒、殺菌がされているため、卵の殻に付着したサルモネラ菌(On-egg)はほぼ死滅しています。

 

また鶏の卵巣や卵管が汚染されている場合、卵の内部でサルモネラ菌が発生(In-egg)する可能性もありますが、鶏卵場において親鶏がサルモネラ菌に感染しなように十分な取り組みがなされています。

 

そういった取り組みにより、日本の市販の卵のサルモネラ菌汚染確率は0.0029%と言われています。

10万個に3個の確率なので、日本の市販の卵は安全と考えて良いでしょう。

 

 

一方で、アメリカにおいては日本のように生で卵を食べる文化がなく、生卵を食べる前提で洗浄・消毒・殺菌がなされていません。

アメリカの市販の卵がサルモネラ菌の汚染されている可能性は0.03%と言われており、日本の10倍は感染の可能性があります。

 

 

サルモネラ菌に感染した場合の症状。

 

サルモネラ菌に感染してしまうと、嘔吐、発熱、下痢の症状が出て、3~4日は症状は続きます。

長いと1週間以上症状が続くことも。

 

健康な成人にとっては、命の危険に関わるようなことはまずありませんが、小児や高齢者は重症化しやすく死に至るケースもあるので、しっかり対策が必要です。

 

生卵を食した結果、サルモネラ菌に感染してしまい、小児が亡くなってしまったという事例が日本でもあるので、絶対に気をつけなければなりません。

アメリカ在住であれば尚更です。

 

アメリカで生卵を食べる方法。

 

しかし、どうしても生卵を食べたくなるのが日本人です。

卵かけご飯に窯玉うどん。

ふとした時に無性に食べたくなる安定の味です。

 

アメリカの市販の卵を生で食べるのは危険と言いましたが、しっかり対策すれば安全に美味しく食べることができるので、その方法についていくつか紹介したいと思います。

 

ちなみに、卵かけご飯や窯玉うどんに絶妙に合うKAMADAの出汁醤油は、アメリカでも簡単に購入することができます。

詳細については下記をご覧ください。

【アメリカでも簡単購入】KAMADAの出汁醤油で食卓が劇的に変わります。

 

Pasteurized(低温殺菌された)の卵を買う。

 

アメリカで市販されている卵の中で、低温殺菌され、生で食べても問題ない卵があります。

 

低温殺菌されたことを、英語でPasteurizedといい、低温殺菌された卵は、その証として卵の殻に”P”のマークがついています。

このPマークがついた卵を購入すれば、日本で生卵を買って食べるときと同じように、何も気にせず生で食べることができます。

 

具体的にはDAVIDSON’S SAFEST CHOICEというブランドの卵です。

このブランドの卵は低温殺菌がされており、Pマークがついているので、生のまま食べることができます。

 

日本と同じ感覚で使用することができるので大変重宝します。

 

しかしデメリットもいくつかあります。

 

一つ目のデメリットは、グローサリーストアによっては取り扱っていないことがあります。

ホールフーズやトレーダージョーズでは取り扱われていません。

 

カロライナではとても店舗数の多い、ローカルのグローサリーストアであるHarris Teeterは、DAVIDSONを取り扱っています。

近くのグローサリーストアでどこが取り扱っているか確認してみましょう。

 

二つ目のデメリットは、値段が少し高いということです。

卵の値段はピンキリですが、通常、卵12個入りで3ドル前後で購入することができます。

しかしDAVIDSONの場合、4ドルです。

 

もちろんもっと高価な卵もあり、4ドルが決して高いというわけではありませんが、もっとリーズナブルな卵と比べてしまうと少し値段差が気になります。

 

3つ目のデメリット(個人的には一番のデメリット)は、DAVIDSONでゆで卵を作ると、殻が綺麗にめくることができないという点です。

 

茹でたあとに氷水で冷やすなど対策をしますが、丁寧に殻を剥こうとしても必ず白身まで取れてしまい、剥き終わったゆで卵はいつもボロボロです。

 

半熟のゆで卵を作ろうものなら、剥き終わったらぐちゃぐちゃになって悲惨なことになっています。

 

おそらく低温殺菌をしていることにより、何らかの原因で殻と白身がくっつきやすくなっているのでしょう。

 

いくらDAVIDSONといえで、12個入りパックで買ったら、生で食べることもあれば、火を通すこともあるでしょう。

アメリカでの生活を始めたばかりのころは、卵は毎回DAVIDSONを買っていましたが、このゆで卵が綺麗にできない事実に気づいてからはDAVIDSONを卒業しました。

 

 

一点注意しておいてほしいのは、アメリカ初心者の人が“Pasteurized”と”Pasture-raised”を間違えるケースが多いということです。

Pasteurizedは低温殺菌されていることを意味しますが、Pasture-raisedは放牧育ちであることを意味します。

 

卵のパッケージを見ると、Pasture-raisedという表現が使用されている卵がたくさんあります。

Pasture-raisedは、卵を産んだ鶏は放牧で育っているというだけで、当然卵が低温殺菌されているわけではなく、火を通して食べなければいけません。

 

“Pasteurized”と”Pasture-raised”は間違えないように注意しましょう。

 

 

自宅で低温殺菌をする。

 

さきほど説明したとおり、サルモネラ菌は熱に非常に弱い性質があります。

摂氏65度以上で5分間、あるいは摂氏75度以上で1分間の加熱で、サルモネラ菌はほぼ死滅し、安全に食すことができます。

 

卵の白身と黄身の凝固についてですが、白身は60度あたりから固まりはじめ、80度で完全に固まります。

その一方で黄身は、65度あたりから固まり始め、その温度を保っておけば完全に固まるという特徴があります。

 

65度のお湯に5分浸す程度であれば、卵は生の状態と何ら変わらず、低温殺菌することができます。

 

ちなみに65度のお湯に30分浸せば、温泉卵の出来上がりです。

 

問題は65度にお湯を保つ方法です。

 

料理好きの人であればだれもが知っていますが、世の中にはスロークッカーという低温調理の便利道具があります。

スロークッカーとは電力を用いて加熱する炊飯器のような形をした器具で、アメリカではとてもポピュラーな料理道具です。

 

素材をゆっくりと煮込むことができるので、味がしみ込み煮崩れがしにくいというメリットがあります。

また、低温でじっくりと煮込むことで、安い肉でもほろほろに崩れるほど柔らかく仕上げることができます。

 

また、火を使うことがないので、安心して使うこともできます。炊飯器と同じです。

 

 

スロークッカーにも種類がたくさんありますが、おすすめしたいのは水温調整型のスロークッカーです。

水温調整型のスロークッカーは、従来からの炊飯器のようなスロークッカーではなく、自宅の鍋に取り付けて温度を調整する器具です。

 

中でも有名なブランドが“Anova”です。

 

もっともリーズナブルで使い勝手がよいのは、Anova Culinary Sous Vide Precision Cooker Nanoという定価129ドルの以下商品です。(今なら20ドル引きで販売されています。)


Anova Culinary Sous Vide Precision Cooker Nano | Bluetooth | 750W | Anova App Included

 

摂氏0度から92度の間を、コンマイチの単位まで調節することができます。

出力は750ワットです。

 

またBluetooth対応しており、スマホを使って操作が可能です。

ただしBluetoothなので、外出先から操作をすることはできません。

 

 

もうひとつグレードの高い機種がAnova Culinary AN500-US00 Sous Vide Precision Cookerです。

こちらの機種も調節可能な温度は、摂氏0度から92度ですが、出力が1000ワットと高いです。


Anova Culinary AN500-US00 Sous Vide Precision Cooker (WiFi), 1000 Watts | Anova App Included, Black and Silver

 

鍋の中の温度を均一に保とうとしても、スロークッカーに近い場所と離れた場所でどうしても温度差が生じてしまうのですが、出力が高くなるほどその誤差を少なくし、より均一に保つことができます。

 

グレードを上げると70ドルアップしますが、より繊細な温度調整を必要とする人にとっては、こちらの機種の方がおすすめです。

 

さらにこちらの機種はWi-Fi対応しており、外出先からでも器具を操作できます。

スロークッカーはその名のとおり、ゆっくり時間をかけて調理をする必要があるため、外出先から設定を変更できるというのは大変便利な機能です。

 

この器具が一つあるだけで、卵の低温殺菌はもちろん、料理のレパートリーやクオリティが格段にあがるので、一家に一台持っておくと大変便利です。

 

Pasteurizedの卵を買わない人は、スロークッカーを購入して使用するようにしましょう。

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まとめ

 

アメリカの卵事情と、美味しく生卵を食べる方法について解説させていただきました。

 

個人的にはスロークッカーをおすすめします。

DavidsonなどのPasteurizedの卵も良いですが、ゆで卵が綺麗にできないというデメリットが痛いので、スロークッカーという選択をとりました。

もちろんスロークッカーを他の料理に使うこともできるので、大変重宝しています。

 

正直にいってしまうと、低温殺菌されていない卵でも、生で食べてもとても美味しくいただけます。

しかし、最初にお伝えした通り、サルモネラ菌は小児や高齢者が感染した場合、死に至る可能性もある細菌です。

くれぐれも低温殺菌されていない卵をそのまま生で食べるようなことはしないようにしましょう。。

 

 

 

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