【アメリカで働くには】EADの申請方法について【とても簡単です】
駐在員の奥さんや、留学生など、働くことを前提にせずに渡米してきた人は、USAでの就労権限がありません。
余った時間があるのであれば、仕事を始めてみるというのは、とても良いチャレンジです。
お金を稼ぐことができるというのはもちろん、社会勉強にもなるし、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
先に結論を言うと、働くことは可能です。
就労権限の取得と聞くと、とても難しいそうに聞こえますが、全くそんなことはありません。
しかし、仕事を始める前に、確認しなければならないことや、申請すべきことが諸々あります。
そこを怠ると、収入が増えるどころか損をする、最悪の場合、帰国しなければならないというパターンも。
事前にしっかり調べることが最重要です。
今回は、アメリカにおいて仕事を始めるまでの段取りを紹介したいと思います。
駐在員妻の場合、まず確認すべきは夫の職場のルール
夫に帯同してきた駐在員妻の場合、
就労権限云々のまえに、まずは夫の職場のルールについて確認するのが第一です。
いくらUSAから就労権限を発行してもらえたとしても、夫の会社がそれを許さなければ働くことはできません。
変にトラブルを招いてしまうと、会社は強制的に帰任させるという意思決定をしかねません。
そうなってしまったら、元も子もありません。
まずは、会社側に事前に相談して、確認するようにしましょう。
確認すべき事項は、以下です。
・駐在員妻の労働を社内規則として認めているのか。
・奥さんが働きはじめた場合でも、家族帯同として会社から付与されていたベネフィット(家族手当、一時帰国時の家族のフライト代、保険、などなど)を貰うことができるか。
・奥さんの確定申告をどのように行うか。
そもそも、駐在員妻が現地で働くことを認めていないという会社もあります。
理由は会社によってさまざまです。安全上の理由で働いてほしくないとか、トラブルを起こしてほしくない、とか。
考え方が固いとは思いますが、そういった会社は未だにたくさんあります。
そして、必ず人事に確認しましょう。
社内規定のハンドブックなどに規制するルールが書いてないからといって、勝手に進めてしまうと、あとあと人事との間でトラブルになるので、こういくことは直接やりとりしましょう。
仮に、人事が駐在員妻の労働を認めるというスタンスであれば、次に、ベネフィットに変更がないか確認しましょう。
通常、駐在員とその家族には、手厚いベネフィットが与えられます。
駐在手当はもちろん、家族手当や住宅手当、帰国時のフライト代、保険など、とても大きな手当が付与されるのが駐在員です。
そういった手当は、奥さんが労働できないからこそ与えられるものでもあります。
そのため、奥さんが働くのであれば、それらのベネフィットは与えられない、と主張する会社もあります。
これもまたケチ臭いように思いますが、事実としてそういう会社が多いです。
せっかく奥さんが働いても、ベネフィットが減ってしまっては、下手をすれば今まで以上に収入が減ってしまうというという可能性も十分あります。
必ずベネフィットについても人事としっかり事前確認をとりましょう。
そして税金についても要確認です。
駐在員の多くは、会社が契約している代行会社のサポートをもらって、確定拠出を毎年行います。
奥さんが働いている場合、家族でまとめて確定拠出を行うか、あるいは夫は夫で、奥さんは奥さんでそれぞれ確定拠出を行うか、やり方はさまざまです。
通常、家族全体での損得を考えると、夫婦別々で確定拠出をするより、まとめて確定拠出をした方が、得をするケースがほとんどです。
しかし、夫の会社が、奥さんの確定拠出も一緒に行うことを認めてくれるとは限りません。
必ず、確定拠出をどのように行うべきか、というのも人事(あるいは赴任先の現地法人)と事前確認するようにしましょう。
会社と相談しても、良い返事が返ってくるとは限りません。
むしろネガティブな返事が返ってくるケースのが多いです。
古い考えの企業ほど、そういう傾向にあります。
しかし、納得がいかないからといって、上層部や人事とバトルすることはおすすめしません。
会社側は、いざとなれば、帰任という辞令を出すこともできるからです。
そうなれば、奥さんが働くもなにもありません。
駐在員という立場であれば、会社に対して不服はあっても、その時はバトルすることはやめましょう。
自分のステータスを確認、そしてEADの申請。
アメリカで働くには就労権限が必要です。
就労権限を認める書類がEAD(Employment Authorization Document)です。
夫の会社から問題なくOKが出た場合、あるいは勉強を目的に移住した学生や、現地の人のフィアンセとして移住してきた人などの場合、次のステップはEADの取得です。
そのために、まずは自分のビザステータスを確認しましょう。
そもそも就労権限が付与されているビザもあります。
・J-1
・E-1/E-2
・L-1
これらのビザは、発行時点で既に特定の企業での就労権限が付与されています。
駐在員はこれにあたります。
そのため駐在員は、EADを取得する必要がありません。(特定の企業以外で働くことためにはEADが必要です。)
しかし、帯同者についてはこれによりません。
例えば、E-2ビザで赴任してきた駐在員の帯同者(奥さんなど)は、同じE-2ビザを取得して渡米してきていると思いますが、その場合はEADを取得しなければ働くことはできません。
EADさえあれば、雇用形態によらず、基本的にどの会社でも働くことができます。
アメリカのビザは何種類もありますが、USCISが定める、EADを申請することができるビザは以下です。
・Asylee or Refugee and their dependents (spouse and children)
亡命者や難民の配偶者および子供
・Certain nationalities
特定の国籍の持ち主(日本人はこれに当たりません。)
・International students
F-1ビザやM-1ビザを所有する学生
・Eligible Dependents of Employees from International Organizations, Diplomatic Missions, or NATO
AビザやGビザなど、外交ビザを取得している人。(該当する人はほぼいないでしょう。)
・Employment-Based Nonimmigrant
Bビザ、Lビザ、Eビザなどを取得している人。(ほとんどの駐在員妻はここに該当します。)
・Family Based Nonimmigrant
Kビザ(フィアンセビザ)を取得している人。
・EAD applicant who has filed for an Adjustment of Status
グリーンカード申請中の人。
詳細を確認したい場合は、以下インストラクションを確認ください。
USCIS(移民局)が提示している公式のドキュメントです。
https://www.uscis.gov/sites/default/files/document/forms/i-765instr.pdf
最初のページの“Who May File Form I-765?”以降、どういった人がEADを申請できるかということが、ズラーっと書かれています。
I-765というのがEADの申請書類です。
USCISのWebサイトから誰でもダウンロードすることができます。
下記がURLです。
https://www.uscis.gov/sites/default/files/document/forms/i-765.pdf
以下が申請において必要な書類です。
・Form I-765
上記リンクより取得してください。
・I-94
I-94は出入国の記録が書かれた書類です。
既にアメリカに入国している人であれば以下リンクに氏名・生年月日・パスポート番号を入力することで確認できます。
https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/recent-search
・(更新の場合)前回のEADのコピー
・(初回申請の場合)氏名・生年月日・顔写真付きのIDのコピー
パスポートでOKです。
・過去30日以内に撮影されたパスポート用証明写真を2枚
UPSなどで撮影してくれます。自分で撮影して印刷、というのはしないようにしてください。
・申請に関わる費用
申請をファイリングするための費用 $410
生体認証に要する費用 $85
合計で$495です。
・(配偶者として申請する場合)婚姻証明書のコピー
申請前に、これらの書類はすべてコピーして保存しておきましょう。
郵送中や申請中に紛失されたときの証拠として必要です。
申請後、EADの取得までには2~5か月を要すると言われています。
しかし時期にもよって変わるし、同じ時期でも早く来る人もいれば遅い人もいます。
一刻も早くEADが欲しいという人もいると思いますが、正直こればかりは運です。
早くEADが届くことを祈りましょう。
EAD申請後に、まずは受理されましたというレターがUSCISから届きます。
またそのレターに受領番号が記載されており、以下のリンクで受領番号を入力することで、自分の申請のステータスを確認することができます。
https://egov.uscis.gov/casestatus/landing.do
心配な人は、定期的にステータスを確認すると良いです。
以上が、就労権限を取得するまでの流れです。
何も知らないと、就労権限を取得するのは複雑で大変そう、と思いがちですが、申請自体はそこまで難しいことではありません。
アメリカで働いてみる、というのはとても良い経験になります。
日本に帰国するとなった場合、日本で新たなキャリアを見つける際にも、アメリカで働いていたという実績はとてもプラスの評価になります。
実際に、働くことでコミュニケーション能力も格段にレベルアップしますし、何より対外国人のメンタルが鍛えられます。
働けば辛いこともたくさんあるでしょうが、得られるものはお金だけじゃありません。
それ以上に大切なものが得られます。
アメリカで働きたいという意欲のある方は、まずは注意点をしっかり確認したうえで、ぜひEADの取得を検討してみてください。
就労権限は取得することができます。
もちろん事前に確認すべきことや、準備する書類はありますが、決して難しいことではありません。
アメリカで働くという経験は、帰国後のキャリアや、今後の人生を考えて、とても良い経験になります。
意欲がある人は、ぜひEADを申請して就労権限を獲得し、アメリカでの仕事にチャレンジしてみましょう。
アメリカ生活10年以上。
西はカリフォルニア州、東はデラウェア州。
数々の州で生活をし、最終的にノースカロライナ州・サウスカロライナ州にたどり着きました。
カロライナは本当に居心地が良く、住むには最適の地域ですが、日本における知名度は低く、もっと日本人にカロライナの良さを理解してもらいたいと思い、本サイトを開設しました。
これまでのアメリカ生活で得た経験や知識を、少しでも多くの人に共有して、皆さんのアメリカにおける日々を豊かにできますようにと願いながら、日々情報を発信し続けます。