【世界を左右する】アメリカ大統領選挙を楽しむ【仕組みを理解すれば面白い】

世界中が注目するアメリカ大統領選挙。

次の大統領は一体だれになるのか。

これまでただ何気なく大統領選挙のニュースを見てきた人も、その仕組みや流れを知ることで、選挙を大いに楽しむことができるようになります。

そして楽しむことができるようになれば、各党のポリシー、各大統領候補の主張などを自然とインプットできるようになります。


自分は選挙権もないし、自分は直接的な影響は受けないと思っている人も、大統領選挙についてしっかり学ぶことで、仕事や投資、日々の生活に必ず役に立つ情報を得ることができます。

リベラルの民主党、保守の共和党

アメリカは2つの巨大な政党が存在します。

一つが民主党、もう一つが共和党です。

戦後の大統領の所属を見ると、民主党から選ばれた大統領が6名、共和党から選ばれた大統領が7名です。

現在、それぞれの党の力は拮抗しています。

まずは民主党の特徴について。

民主党はリベラルが政治信条であると言われます。

つまり自由主義で、年齢、性別、人種にこだわらず、全員が平等に暮らすことができる世の中を目指しています。

ドナルド・トランプと大統領の座をかけて争い、女性初の大統領を目指したヒラリー・クリントンも、

黒人初の大統領となったバラク・オバマも、

どちらも民主党に属しています。

男女関係なく、人種関係なく、というのが民主党のモットーです。

平等の実現が基本的な思想にあるため、「大きな政府論」を掲げています。

大きな政府とは、政府が経済活動に積極的に介入することにより、国民の全員が平等に幸せを教授できる社会を目指すという思想を、大きな政府と呼びます。

北欧の国々は、国民からのたくさんの税金を集め、その代わりに手厚い社会保障制度により、誰もが安心して暮らせる国家を築いています。

これが大きな政府の典型的な例であり、アメリカの民主党の基本思想となっています。

社会主義とまではいきませんが、そういった全員で平等に幸せになるという思想が民主党の特徴です。

一般的な支持層は、黒人やヒスパニック、アジア系など、白人以外の人種、そして女性からも強い支持を得ています。


次に共和党の特徴について。

民主党のリベラルに対して、共和党は保守(コンサバ)が政治信条であると言われます。

保守とは、伝統や昔からの生活を守ろうという考えです。

例として、

・人工中絶を認めない。

・LGBT(性的マイノリティ)を認めない。

・同性婚を認めない。

・キリスト教の道徳を重視する。

などがあげられます。

また民主党と逆の「小さな政府論」を掲げています。

政府はなるべく経済活動に介入せず、国民は自分のことは自分でどうにかするという思想を、小さな政府と呼びます。

社会保障制度により国が国民を守るのではなく、国民一人一人が責任感をもち、自立し生きていくことを目標にしています。

自由競争を重視し、それにより経済的な成長をもたらします。民主党に比べて資本主義の考えが強いと言えます。

そのため、比較的裕福で差別のない白人層と、自由競争に賛成する大企業から支持を得ています。

選挙までの流れについて

大統領選挙の日程は、4年に一度、11月の第一月曜日の翌日の火曜日と法律で決められています。

この法律ができた150年以上前、当時多くの国民は農業に従事しているキリスト教徒でした。

農業が忙しくなる春から秋を避けること、また日曜日は毎週教会に行くため日曜日は避けること、そして当時は投票所に行くにも一日がかりだったため、月曜日ではなくその翌日の火曜日がベスト、といったことを考慮して、11月の第一月曜日の翌日の火曜日に選挙を行うことが決定されました。


しかし、もちろん選挙日に至るまでにさまざまなイベントがあります。

選挙の流れは、大きく分けて3つのステップがあります。

まず初めが、2-6月の間で行われる予備選挙と党員集会です。

アメリカの大統領になるには、共和党か民主党のどちらかの代表になる必要があります。

各党の代表を誰が決めるかというと、代議人という人たちによって選出されます。

2-6月に行われる予備選挙と党員集会はその代議員を選出するための行事です。

予備選挙を行うか、党員集会を行うか、または両方行うか、それは州によって決まっています。

予備選挙は有権者が投票を行う方式です。

有権者が候補者を選び匿名で投票する、日本の選挙と同じ方式です。


一方で党員集会は、党員が議論をしながら候補者を絞り込んでいく方法です。

党員集会に参加する党員は、各候補者の主張について議論し、支持する候補者ごとにグループに分かれます。

支持者が少ない候補者のグループは解散し、他の候補者に替えるよう促されます。

こうして話し合いを繰り返し、候補者の順位を決めながら、最終的に比率配分で候補者ごとの代議員が決定される、というのが党員集会です。

そのほか州によって細かなルールの違いはありますが、2-6月の間で予備選挙や党員集会を通して代議員を決定するのがはじめのステップです。

3月の第2火曜日に予備選挙や党員集会が集中して開催されるため、この日はスーパー・チューズデーと呼びます。

まだ各党の代表を決めるという段階ですが、この時点からかなり白熱しています。

2008年のオバマ vs ヒラリーの予備選挙・党員集会は、実際の大統領選挙並みの報道をされており、何となくニュースを見ていた人は、オバマ vs ヒラリーが大統領選挙そのものだったと勘違いしていることがよくあります。

それだけ重要なイベントで、見ごたえたっぷりということです。

次のステップが、7-8月に行われる全国党大会です。

この全国党大会で予備選・党員集会で選ばれた代議員たちが、党の代表を選任します。

共和党、民主党それぞれが開催する行事で、2020年の共和党全国大会はノースカロライナ州シャーロットで開催されました。

近年は予備選挙や党員集会の時期が早まったことで、実質この全国党大会を開催する前に各党の候補は決定しています。

そのため現在は形式的に選任を行い、各党の要人が演説をする決起集会のようなものになっています。

そして最後が11月3日の大統領選挙です。

この日に有権者が選挙を行います。

大統領選挙では、選挙人制度というものを採用しているので、厳密には有権者は大統領候補者を選ぶのではなく、選挙人を選びます。

選挙人はあらかじめ選挙人はあらかじめどちらの候補を支持するかを表明しているので、有権者は間接的に候補者を選ぶことができるという仕組みになっています。

そして面白いのが、勝利者独占方式を採用しているという点です。

つまり、それぞれの州で勝利した候補者が、その週の選挙人の人数全てを獲得できるというシステムになっています。

下図が2016年の選挙における各州の選挙人の数です。カリフォルニアを制すれば、55人の選挙人を確保できます。

州によって選挙人の数は大きく変わるため、どこの州を制するかというのが非常に重要になってきます。


上の図の赤はトランプが制した州、青はヒラリーが制した州です。

カリフォルニアやニューヨークをはじめとする西海岸、東海岸を制したヒラリーに対して、内陸ほほぼ制したトランプ。

総得票数はヒラリーの方が300万ほど上回っていましたが、選挙人の数でわずかに上回ったトランプが大統領に選ばれました。

得票数が多ければ良いというものはなく、以下に選挙人の数を確保できるようにそれぞれの州でアピールするかという戦略が大事になってきます。

この点を理解したうえで、大統領選挙のニュースを見ると本当に面白いです。


トランプ vs バイデン

2020年の大統領選挙は、共和党からは現職のトランプ、民主党からはバイデンが選任されました。

11月3日の総選挙で全てが決まります。

もし大統領選挙に興味が湧いてきましたら、両候補者のツイッターをフォローしてみることをおススメします。

日々お互いがツイッターで罵倒し合っています。

日本でも選挙において相手を罵倒するということはなくはないですが、ここまで言うかというほどお互い言い合っていて、笑えてきます。

そういった経緯も見つつ、最終的にどちらが選ばれるのか、じっくり見物して楽しみたいと思います。

まとめ

大統領選挙の流れや仕組みを理解することで、選挙権がなくとも大いに楽しむことができるようになる。
またそこで得た知識は、仕事、投資、日々の生活など、あらゆる面で役に立つ情報となる。
2020年は大統領選挙の年。
ぜひ選挙について学び、ニュースを見て、リアルタイムで楽しみましょう。

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